境内には、松本市指定重要文化財である観音堂、仁王門をはじめ、江戸時代を中心とした多くの建造物が立ち並び、訪れる人々を静かに迎えます。
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1観音堂
市文 江戸中期 正徳3年(1713)
間取りは間口五間、奥行四間のいわゆる五間堂で、現存する長野県内の五間堂としては3番目に古いものです。
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2奥殿(収蔵庫)
現代 平成11年(1999)落慶
鉄筋コンクリート造の文化財収蔵庫で、本尊の十一面観音はじめ、
文化財の仏像の多くがここに収められています。
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3本坊(旧庫裏)
江戸中期 寛政9年(1797)
間口8間、奥行16間半の本棟造では最大の規模で、正面に雄大な妻梁を見せます。長く庫裏として使われました。
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4仁王門
市文 江戸中期 享保11年(1726)
三間一戸の楼門で、入母屋造、銅板葺の建物です。
スマートなプロポーションをもち、全体が朱塗りされています。
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5如意輪堂
市文 江戸中期 寛政10年(1798)
間口54尺、奥行54尺、寄棟造、茅葺の大規模な堂で、
方丈形式の内陣両脇は10畳の客座敷をつくり、客殿の趣です。
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6惣門
現代 平成19年(2007)再建
江戸中期の天保3年(1833)の惣門が老朽化したため欅材で新築されました。正面蟇股は古い部材を再用しています。
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7弁天堂
現代 平成19年(2007)再建
弁天池の中に建ち、正面に屋根付きの橋を架けます。内部の弁財天を祀る宮殿は幕末・明治期の建設とみられます。
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8聖徳太子殿(太子堂)
江戸後期 嘉永7年(1854)再建
正面に軒唐破風の向拝を付けた柱間方9尺の宝形造で、
木鼻を獅子と象とするなど、洒落た装飾で飾っています。
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9鐘楼(厄除の鐘)
江戸時代幕末
方10尺の入母屋造りで、柱を四方転びとします。天井に松本出身の赤羽雪邦が大正時代に描いた龍の絵があります。
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10山門(表門)
大正12年(1923)再建
左右に長屋が付く、規模の大きな四脚門で、表側は柱を後退させ頭貫を出梁のように見せる新形式をとっています。
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11牛堂
江戸後期 昭和49年(1974)改築
参道の黒門手前に建つ間口10尺、奥行2間半の建物で、
内部に阿弥陀如来の両脇に赤黒2頭の牛の像を安置します。
photo by 宮嶋 洋一